【Step1】BPMツールについて基礎知識を学ぶ

BPMツールの選び方と費用目安!クラウドとオンプレミスの違いも解説

 

業務プロセスに無駄が多いと、業務効率悪化・ミスの増加・成果物の品質低下に悩まされます。
現状を打破するべく、業務プロセスでの無駄や課題を可視化できるBPMツールを導入する企業が増えています。
しかし、「どのくらいの費用が掛かるかわからない」、「クラウドとオンプレミスはどちらを選ぶべきなのか」など、BPMツールの費用や導入形態に関して不安を抱える方も多いでしょう。

今回の記事では、BPMツールの機能・クラウドとオンプレミスの違い・BPMツールの選び方や費用目安についてまとめました。

BPMツールとは?

BPMツールとは、営業・生産管理・入出庫業務など、各分野の業務プロセス効率化を図れるツールです。
新たな業務フローの作成や事前予測によって業務プロセスの課題を可視化し、無駄のない業務プロセスを確立できます。
業務効率改善・ミスの削減・業務の正確性向上を目指す企業に多数導入されていることが特徴です。
また、BPMツールはクラウド型とオンプレミス型、自社の業務体制に合わせて導入形態を選択できます。
コスト・カスタマイズ性・運用負担などを考慮し、自社に合ったBPMツールを選択してください。

BPMツールのクラウドとオンプレミスの違い

BPMツールはクラウドとオンプレミスの2種類から選択できます。ここでは、それぞれの特徴や違いを解説していきます。導入時の比較材料としてご活用ください。

クラウドの特徴1:初期費用を抑えられる

クラウド型の特徴は、初期費用とランニングコストを共に抑えられる点です。

クラウド上でサービスを提供しているベンダーに申し込めば、すぐにBPMツールを利用できます。そのためインフラ環境の整備や大規模なシステム開発は必要ありません。

さらに、サーバーメンテナンス・ソフトウェアのインストール・データのバックアップ作業はベンダー側に一任できるため、運用負担・コストを大幅に削減できます。オプションを追加しなければ、月額料金=ベンダー側が設定している料金プランの金額になるため、コスト管理をしやすい点もメリットです。

また、インターネット環境さえ整っていればBPMツールにアクセスできるため、テレワークにもスムーズに対応できます。

クラウドの主なメリット

  • 初期費用とランニングコストの低コスト化を実現
  • 運用負担軽減
  • 時間や場所を問わず利用可能
  • データ共有や編集がスムーズ

クラウドの特徴2:セキュリティ面の不安

クラウド型の場合、セキュリティ面での不安があるという特徴があります。

例えば、自社で導入しているBPMツールのハッキングによる情報漏洩が考えられます。またシステムダウンとなった場合は、復旧するまで利用できなくなることも不安点です。頻繁にシステムダウンが起きないよう、セキュリティレベルの高いベンダーを選択しましょう。

既に市場に販売されているBPMツールを利用する形になるため、自社で自由にカスタマイズできる余地はほとんどありません。ITスキルに不安を抱える方でも利用できるよう、ベンダー側がツール全体を設計しているからです。
自社が選択できる範囲は、ベンダー側がオプションで用意した内容のみとなっています。

また、メンテナンスやアップデート作業は自社で対応する必要が無い一方、ベンダーへの依存度が高まります。

オンプレミスの特徴1:カスタマイズ性の高さ

オンプレミス型は、カスタマイズ性の高さが最大の魅力です。
自社の要望に合わせてBPMツールの全体像を決められるため、機能性や操作性を最大限追求できます。

既存システムとの連携性にも優れており、さまざまなシステムと連動した形での使い方も可能です。
また、社内からのアクセスだけを想定したクローズドネットワーク環境を構築するため、不正アクセスのリスクを最小限に抑えられます。

オンプレミスの特徴2:初期費用の高さ

オンプレミス型では、多額の初期費用が必要になることが特徴です。なぜなら、サーバーやライセンス、ネットワーク機器などを自社で調達しない限り、利用できないからです。

インフラ環境整備・ライセンス取得・パッケージ購入には多額の費用が掛かり、数百万円以上必要なケースも珍しくありません。どのメーカーの機器を調達するかも自社で決めないといけず、計画的なスケジュール管理が求められます。

また、オンプレミスでBPMツールを運用するためには、優れたITスキルを持つ人材が不可欠です。なぜなら、メンテナンスやアップデート作業は自社で行わないといけないからです。システムダウンが起きた場合も自社対応となるため、豊富な知識やノウハウを持つ人材がいない限り、オンプレミスでの運用は困難です。

BPMツールの選び方

自社に合ったBPMツールを選択するポイントは以下の4点です。

  • 業務プロセス変更の柔軟性
  • 機能と費用面のバランス
  • 操作性
  • 無料トライアルの有無

一つひとつ内容をみていきましょう。

業務プロセス変更の柔軟性

業務プロセスの追加・入れ替え・削除を自由に行えるBPMツールを選択してください。BPMツールの導入目的は業務プロセスの無駄や課題を可視化し、業務効率改善につなげることが目的だからです。

プロセス変更への柔軟性が低いツールを選ぶと、既存システムとスムーズに連携できず、プロセス変更のたびに時間やコストが掛かります。変更情報をリアルタイムで反映できるBPMツールを選び、最適な業務プロセスの確立を図ってください。

機能と費用面のバランス

BPMツールの導入と運用にどの程度、予算を割けるかも重要なポイントです。一般的には使える機能が多くなる程、その分費用も高額になるからです。

使える予算が限定されている場合、基本機能のモデリング・シミュレーション・モニタリング以外は、搭載されていないツールやプランを選択しましょう。無駄な費用の発生を避けられます。

一方、資金面に余裕がある場合はコミュニケーション・eラーニング・基幹システムの運用など、社員スキル向上や運用負担軽減につながるBPMツールも選択肢に入れられます。

操作性

ユーザーインターフェースに優れたBPMツールを選択しましょう。

営業・経理・生産管理など、さまざまな部門に携わる社員がBPMツールを操作するからです。使いにくいツールを選ぶと定期的な利用が望めず、社員に業務効率改善の意識が浸透しません。

ITリテラシーに左右されず、ドラッグ&ドロップで操作が可能なBPMツールを選ぶことをおすすめします。

無料トライアルの有無

初めてBPMツールを導入する場合、無料トライアルを利用して機能性や自社との相性を確認してください。使い勝手を掴めていない状態で導入するとミスマッチのリスクが高くなり、高い投資に見合った効果は得られません。

無料トライアルを利用し、機能性や操作性に優れているかを見極めていきましょう。仮に自社と合わないBPMツールを選択してもコストは掛かっておらず、ダメージは残りません。

BPMツール別の特徴と費用目安

BPMツールの導入を検討している方へおすすめのツールを4つ紹介します。

初期費用や無料トライアルの有無など、かかる費用についてもまとめていきます。

項目iGrafxRanabaseQuestetraDataSpider BPMoctpath
初期費用要問い合わせ×××
無料トライアル××
運用形態オンプレミスクラウドクラウドオンプレミスクラウド

それぞれ詳しく解説していきますので、検討材料としてご活用ください。

iGrafx

iGrafxは、三井物産インシュアランス・川崎重工業・世界銀行グループなど、幅広い業界の大手企業に多数導入されているBPMツールです。

特徴は優れた機能性です。フローチャートの作成は、業務内容や注意点を記載した図形を配置するだけで完了します。図形テンプレートは3,900種類以上用意されているほか、オリジナル図形の作成も可能です。作業スペースの調整や挿入線の引き直しはiGrafxが自動で行うため、ストレスフリーで作業を進められます。

そして、作成した業務フローは高度な分析機能を持つiGrafx Processによって解析し、現状と理想のギャップを定量的に把握できます。

また、クラウド型とオンプレミス型がどちらも用意されており、コスト・IT人材の有無・業務体制に応じた柔軟な選択ができる点もiGrafxの魅力の一つです。

octpath

octpathは、バックオフィス業務全般の効率化・運用負担軽減が望めるクラウド型BPMツールです。

社員の入退社手続き・備品発注・セミナー準備など、デスクワーク全般の進捗状況をBPMツール上で監視できます。タスク管理をスムーズに共有できるため、対応漏れやミスのリスクを最小限に抑えることが可能です。

また、汎用性にも優れており、システム運用・マーケティング戦略・見込み顧客へのフォロー体制など、複数の業務プロセスを効率的に管理できます。月額料金も1ユーザー1,650円(税込)とリーズナブルな価格設定で、利用人数に伴う機能の制限もありません。

Ranabase

Ranabaseは、ユーザーインターフェースに優れたクラウド型BPMツールです。
EPC法の導入で、シンプルで見やすい業務フローチャートを映し出します。業務内容の伝達手段・役割分担・他システムへのデータ入力の有無などを明確化し、対応漏れのリスクを最小限に抑えられます。フローチャートはドラッグ&ドロップで簡単に作成できるため、操作性に悩まされる心配はいりません。

さらに、コミュニケーション機能によってオンライン上でコメントや付箋を残すことができ、業務フローの評価に関する意見交換をスムーズに進められます。

また、セルフラーニングとオンライン添削機能が搭載されており、社員のスキル向上にも役立てられます。無料プランも用意されており、コストを掛けずに使い勝手を確認できる点もRanabaseの魅力の一つです。

そして、有料プランもフリーランスや個人事業主が気軽に利用できるよう、月額550円(税込)の格安プランが用意されています。

DataSpider BPM

DataSpider BPMは、GUIを採用した操作性に優れるオンプレミス型のBPMツールです。業務のフローチャートはドラッグ&ドロップで作成できるため、ユーザーのITリテラシーに左右される心配はいりません。

さらに、モデリング機能にはワークフローシステムを採用しており、効率的に作業を進められます。また、ログ機能によって「誰が・いつ・どのような処理を行ったか」を記録でき、業務プロセスの妥当性を検証する判断材料としても活用できます。

ただし、導入には基本パッケージ代+ライセンス費用+サポート費用が発生するため、初期費用として数百万円以上事前に確保しておく必要があります。資金力が豊富な大企業向けのBPMツールだと言えるでしょう。

まとめ

この記事では以下4点について解説してきました。

  • BPMツールの機能
  • クラウドとオンプレミスの違い
  • BPMツールの選び方とポイント
  • BPMツール別の特徴と費用目安

BPMツールはモデリング・シミュレーション・モニタリング機能を搭載し、業務効率改善やミスの削減を図るためのツールです。

クラウド型を選んだ場合は初期費用・ランニングコスト・運用負担を軽減できる一方、オンプレミスの場合は自由にカスタマイズできる点がメリットです。ただし、初めてBPMツールを導入する場合、どのようにして選定作業を進めるべきか迷っている方も多いでしょう。

記事内で紹介したポイントやおすすめのツールを参考に、どのBPMツールが自社に最適か比較検討を進めてください。

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